外貨MMFの利率がとても下がっていますが,理由を教えて下さい。
過去においては,外国債券と同等程度だったように感じていましたが, ずいぶんと差が広がっているように思います。
今後の見通しも,教えて下さい。
証券会社の方から,外貨MMFから,外国債券に換えるように,勧められています。
外貨MMFの利回りが下がっているのは、 主要先進国で 相次いで政策金利の引き下げが行われたからです。
http://www.gaitame.com/market/seisakukinri.html 政策金利が引き下げられると、MMFが投資対象とする高格付け債券の金利も下がりますから MMFの利回りは低くなります。
これに対して、金融危機のため 信用リスクのある主体は 利回りが高くなければ債券を引き受ける投資家がいなくなります。
多くの人が 現在は企業が破綻しやすく 格付けの低い債券の安全性は好景気の時より低いと考えるためです。
このため、政策金利は下がっても 低格付け債券の利回りはそれほど低下しない あるいは 逆に上昇するということが起こります。
教科書では 「クレジットスプレッドの拡大」なんていわれる状態です。
今後 MMFの利回りが上がるには 景気が良くなって 政策金利が上昇していく必要があるのですが、現状では 短期間で以前の水準に戻る可能性は低いと考えられます。
外貨MMFから 外国債券への乗り換えを勧められているとのことですが、この二つは 全く性質の異なる商品です。
①信用リスクの問題 外貨MMFは高格付けの債券で運用されていますが、外国債券では 自分で格付けを調べ 債券の発行体の信用リスクを確認する必要があります。
一般論ですが、MMFより利回りが高いということは 信用リスクの代償である場合が多いです。
安易に利回りが高い債券を求めると 信用リスクの高いクズを掴みかねません。
特に 現在のように クレジットスプレッドがワイド化している局面では要注意です。
②流動性の問題 外貨MMFは いつでも解約できますが、外国債券では 中途の売却は困難であったり 適正な価格では売れないことがよくあります。
外貨MMFより金利が高いと言うことは 債券の残存期間が長い可能性がありますから、その間 保有を続けられるのか 良く検討してください。
③金利変動リスクの問題 外貨MMFでは 短期金利の変動に沿った利回りが期待できるのですが、外国債券では残存期間に応じて金利変動のリスクに曝されます。
今後 金利が上昇局面に入ったとすれば 外貨MMFでは利回りの上昇が期待できるのに対して、外国債券では 債券価格が値下がりし 損失を負うリスクがあります。
④通貨の問題 米ドルMMFの利回りは かなり低下していますが、南アフリカランドのMMFの利回りは依然として高水準です。
米国債の利回りは低下していますが、メキシコ・ペソやトルコ・リラ建ての債券なら高格付けなモノでも 今でも そうとうの利率が提示されています。
このように 利回りは 異なる通貨間では単純に比較できません。
証券会社のセールスが 利回りだけを提示して 新興国通貨建ての債券を勧めるようなら そのリスクを良く考えてください。
繰り返しになりますが、外貨MMFと外国債券は 直接比較できる商品ではありません。
同じ通貨建てであっても 個別の債券を買えば 残存期間が長い分だけ 金利変動リスクや信用リスクを負うことになります。
流動性にも問題がある場合が多く、売却が難しいこともあります。
MMFと債券の金利差は それらのリスクの代償とお考えください。
それらのリスクを勘案しても 外国債券に魅力を感じられるのであれば 乗り換えても良いでしょう。